28/04/2026
ReChair_stories_ #063
25年の歳月を超えて蘇る、家族の絆を支える特等席
難易度の高いウェービングテープの張り替えと、職人の飽くなき探究心がもたらした技術の進化
■25年間の想い出を未来へつなぐ
今回のご依頼主様は、25年前の新築祝いに義父様からプレゼントされたという、イタリア・ザノッタ社製の名作ソファ「Zurigo」を大切に使い続けてこられたお客様です。デザインを非常に気に入られ、これまでファブリックやウレタンの交換を重ねてメンテナンスされてきましたが、座り心地の要である「ウェービングテープ」の張り替えは難しいのではないか、という不安を抱えていらっしゃいました。
長年ご家族の成長を見守ってきたソファには、言葉では言い尽くせない物語が詰まっています。私たちはその想いを受け止め、「もう一度、安心して腰掛けられる状態に蘇らせる」という決意とともに、この大切なソファをお預かりしました。
■過去の経験を糧にした技術の進化
ReChairの職人は、単に現状を復元するだけでは満足しません。以前、同モデルのソファを手がけた際の経験を振り返り、さらなる品質向上を目指しました。
具体的には、ウェービングテープの縫合部分の仕上げに新たな工夫を凝らしました。長年の使用によって、切り口から繊維がボサボサと出てしまう課題を解決するため、末端の処理方法を改良。これにより、耐久性を高めるだけでなく、見えない部分の美しさにも徹底的にこだわりました。お客様の大切な椅子と向き合うたびに、私たちの技術もまた進化し、それが次の「最高の体験」へと繋がっていく。これこそが、ReChairの誇るプロフェッショナリズムです。
■「家族の集い」に間に合わせる、シームレスな体験の提供
ご依頼主様からは、ゴールデンウィークにご親戚や子供たちが集まるため、その前にソファを届けてほしいという切実なご要望をいただいておりました。タイトなスケジュールではありましたが、工房のチーム全員が連携し、作業工程を緻密に調整することで、無事にご家族が集合される前にお手元へお届けすることができました。
無事に届いたソファを目にしたご依頼主様からは、「仕上がりの美しさに見惚れてしまった」「感無量です」という、これ以上ない温かいお言葉をいただきました。
■まとめ:日本の張り替え文化の土壌をつくる
椅子を使い捨てにするのではなく、修理を重ねて次世代へと受け継いでいく。今回の事例は、お客様の「物を大切にする心」と、私たちの「技術と誠実さ」が共鳴したことで、新しい価値が生まれた瞬間でした。
「張り替えれば、また10年、20年と使い続けられる」という安心感を提供し続けること。そして、その感動を誰かに伝えたくなるような体験を創造すること。私たちはこれからも、一つひとつの椅子の物語に真摯に向き合い、日本に豊かな張り替え文化を根付かせてまいります。