17/04/2026
【山のおきて】
鍵っ子だった筆者は子供の頃、春、夏、冬休みは母方の祖父母の家に預けられていた。
祖父母の家は熊本県球磨地方の山深い山村にあった。
私はそこで貴重な体験や話を祖父から教えられることになる。
人々は山に魅せられる。
自然の美しさ、生命の伊吹。
また、山に宿る未知の何かに引き込まれる。
特に子供だった私には山は格好の遊び場だった。
しかし、山は『山怪』と言われる不思議な現象を引き起こす怖い場所でもあることを大人になって知った。
ある時、私は祖父にねだって一緒に山奧に入ることになった(山に入ることを許されたに近かったが…)。
「じいちゃんから絶対離れたらいかんぞ。」
優しい祖父の表情が、いつになく険しかった。
いつも遊んでいるビーグルの「ビー」も一緒だ。
ビーの目付きも鋭く変わっていた。
「山には入ってはいかん日と木を切ってはならん日もあるでなぁ。」
祖父は無造作で細い途切れ途切れの道を歩きながら、聞き慣れない山にまつわる話をしてくれた。
「これはけもの道ちゆうて、タヌキの通った跡やっで、気を付けてな。」
「向こうの山には昔から大蛇がおるっち言われとる。誰も入るもんはおらん。」
祖父は頭上のかずらや足元の雑草を腰なたで払いながら慣れた足取り山奥へ入っていく。
すると大きなスズメバチの巣が遠くに見えた。
「山は何のあるか分からん。勘で行くしかなか。」
祖父はスズメバチの巣を避けて、私に静かにしておくように無言の合図を送った。
更に進むと「カサッ」と音がした。
「野ウサギやろ。」
その頃になると、私はえもいわれぬ恐怖におののき、祖父のズボンにしっかりとしがみついていた。
傍らにいてくれるビーの存在が頼もしかった。
私は心の中でビーに謝っていた。
ビーが一生懸命穴を掘って隠してる鶏の骨を違う所に埋め直してごめん…。
山から降りると祖母が迎えに出てきてくれた。
「ばあちゃん!」
祖母に飛び付いた。
私はその夜、祖父と祖母の真ん中に挟まれて眠った。
【2026年度の山に入ってはいけない日】
①3/4(水) ②6/30(火) ③10/26(月)
山の神様の日は入山は控え山への感謝や安全を祈る風習があります。
神社などで参拝し安全祈願や山や自然に感謝をする山のお仕事の方々もいらっしゃいます。
【木を切ってはいけない日】
https://bloom-note.tokyo/contents/57
※こちらのサイトに詳しく説明されています。
特にお庭や土には「土公神(どくじん)」という神様がいらっしゃると信じられてきました。
この神様は季節ごとに居場所を変えると言われており、土用の期間はちょうど庭や土の中にいらっしゃいます。
休まれている神様の邪魔をするのは止めましょう。
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